Design Development & Talk
部内勉強会

即興演劇+トークイベント

俳優にして即興演劇パフォーマーであるインプロ・ワークス代表の絹川友梨さんと、今井敦さん(だんすだんすだんす)、佐藤拓之さん、倉品淳子さん、即興ピアニストの日向ぼっこさんを迎えて、即興演劇の実演と対談のイベントを行いました。即興演劇はインプロ(Improvisation=インプロヴィゼーション)とも言われ、演劇・音楽・アートなど芸術分野における表現手法の一つ。台本や打ち合わせなしで「その場で創作する」ことが特徴です。インプロはエンターテインメントとしてだけでなく、子どもからビジネスマンまで幅広い人を対象とした教育・研修ツールとしても活用されています。

まずはインプロ独特のエクササイズをパフォーマーたちが実演しながら、絹川さんがその都度解説を加えて、インプロへの理解を深めていきました。いつもはミーティングやプレゼンの場となっているCLAYスタジオの空間が、パフォーマーの登場によって舞台へと一変。CLAYスタジオのユニークな空間構成にインスピレーションを刺激され、階段や踊り場を立体的なステージとして活用するパフォーマンスや、本棚にあるデザイン書をランダムに開き、そこに書かれた一節から即興ソングを歌うという新しいエクササイズも生まれました。

会場のデザイナーたちに自由に記入してもらったセリフを床にばらまき、それをランダムに使いながら即興でストーリーを紡いでいく演目では、「自分たちの言葉から、どんな物語が生まれるのか」と固唾をのんで見守っていたデザイナーたちも、予想外なセリフの組み合わせに思わず大笑い。そして最後は、即興演技を行いながら、その時々の心境を即興で歌にする「シング・アバウト・イット」を実演。次々と生まれるアイデアを、声と身体の動きを通じて一幕の劇に仕立てていくパフォーマーたちの技によって、物語は意外な方向に展開。最終的に感動的なラブストーリーに仕上がっていく様子に、客席は魅了されました。

イベント後半では、デザイン誌「AXIS」の石橋勝利編集統括がファシリテーターとなって、絹川さんやパフォーマー、ピアニストの皆さんとディスカッションを実施しました。

絹川友梨さん

絹川さんは「“想定外”をうまく使うのがインプロ」「インプロでは“Yes, and...”の精神が大切。相手の演技やセリフを否定するのではなく、まず“Yes”と受け入れて、自分なりのアイデアを付け加える。その先に何かが生まれます」などと語りました。デザイン開発のブレインストーミングやチームビルディングに役立てられそうな、さまざまな気づきを得たイベントとなりました。

会場のデザイナーも簡単なエクササイズに挑戦!