Design Development & Talk
部内勉強会
CLAYらしさをつくる――第二弾「香り」
「完成しないスタジオ」をコンセプトに進化を続けるCLAYスタジオでは、さまざまな外部パートナーとの協働を通じて「CLAYらしさ」を追求しています。今回のDDTでは、アロマ調香デザイナーの齋藤智子さんを招き、「香り」をテーマに講演いただきました。
齋藤さんは、日本の木の香りを軸に香りデザインを行うアロマ調香の第一人者。目的に合わせて最適な精油を選定し、天然精油の持つデザイン性と機能性を掛け合わせ、他のどこにもない世界にひとつの香りを創造しています。ミラノサローネや日本初の自然派ラグジュアリーホテルSix Senses Kyotoで作品を披露しているほか、美術展、コスメブランドなど新しい香りのデザイン分野を次々と開拓しています。
齋藤さんは冒頭、嗅覚は0.2秒で脳に伝わり、他の感覚と比べて記憶や感情に影響を与えやすいこと、人が1週間に嗅ぐ香りの種類は1500~2000種類にも及ぶことなど、基礎知識を披露。また、アロマの精油を使って香りをデザインする「アロマ調香デザイン」の概要や、香りに関する市場動向について話してくれました。
その後、オレンジスイート、レモン、ユズなどの柑橘系から、ヒノキ、杉などの木の香り、そしてラベンダーやフランキンセンスまで、さまざまな精油の香りを参加者に体験してもらいました。それぞれの香りの特徴や効果、使用例の紹介もあり、参加したデザイナーたちは香りの多様性と可能性に触れました。
続くワークショップでは、CLAYスタジオの香りをデザインするプロセスを体験。スタジオのコンセプトや雰囲気、デザイナーたちがあらかじめ上げていたキーワードを元に、齋藤さんが調香した3種類の香りが提案されました。デザイナーたちは、「感覚を研ぎ澄ます」「集中力とクリエイティビティを高める」「明るく意欲的になる」など、異なるアプローチを持つ3種類の香りを嗅ぎ、CLAYの香りにふさわしいと思うものをそれぞれ選びました。
講演後の質疑応答では、「海外の人々はヒノキなどの日本らしい香りをどのように感じるのか」という文化の違いに関する質問や、「香りと色の関係性」についての質問など、デザインと香りの接点を探る対話が展開されました。
CLAYのデザイナーたちには、嗅覚を通じて新たなデザインの可能性を探る機会となりました。今後は、投票を通じて選ばれた「CLAYらしさ」を体現する香りがスタジオに導入される予定です。
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