ソニーと富士フイルムのデザイナーがうみだした、まだ誰も見たことのないこけしたち 伊勢丹新宿店 2026年6月17日(水)〜6月25日(木)

富士フイルム デザインセンター、ソニーグループ クリエイティブセンター及びソニーデザインコンサルティングと、伊勢丹新宿店ライフデザイン、株式会社電通 Future Creative Centerの4社によるコラボレーション企画です。日ごろデザインしている製品やサービスとは異なる伝統工芸の「こけし」をテーマに、6人のデザイナーが企業の枠を超え「こけし」を新たに解釈し、職人の方々と未来につながるアイディアをデザインしました。2026年6月17日から伊勢丹新宿店で販売します。


太田 壮

So Ohta

  • 富士フイルム株式会社 デザインセンター

  • UI/UXデザイナー

  • 主に医療IT、instax(チェキ)アプリのUI/UXデザインを担当

桜井の音こけし
桜井の音こけし
桜井の音こけし
桜井の音こけし
桜井の音こけし

商品の紹介

桜井こけし5代目・櫻井昭寛氏のこけし制作中の3つの「作業音」(削り、ヤスリ、首入れ)をサンプリングし、その「音の波形」をフォルムへと転換させたアートピースのようなこけし群です。この<KEZURI、YASURI、KUBIIRE>は伝統の職人技を視覚的な美しさへと昇華し、未来へつなぐ新しいこけしの姿です。

デザインストーリー

最初の着想は、実は3番目の「首入れ」こけしなんです。回転する胴体に頭部をグッと押しはめる工程の音です。熟練した工人は、回転で木が焦げる前に一瞬で首をはめ込みます。その瞬間に響く「キュッ」という美しい高音は、まさに卓越した職人技の証であり、その関係性に深く魅了されました。そこから「作業音」を切り口として、音こけしシリーズをデザインしました。

櫻井 尚道さん

KEZURIはクビレが多い造形に木地挽き技術を活かし、YASURIはなめらかで繊細な曲線、KUBIIREは印象を左右する傘の薄さなど細部にこだわっています。普段は手の感覚を大切にするこけし作りも多いですが、今回は波形の特徴を表現するためより正確な造形を意識しました。目に見えない音が木のかたちとして立ち上がっていく面白さに注目してほしいです。

江戸切子のこけし
江戸切子のこけし
江戸切子のこけし
江戸切子のこけし
江戸切子のこけし

商品の紹介

江戸切子伝統工芸士・鍋谷聰氏との共演により実現した10点のみの完全限定品。クリスタルガラスで作られた柔らかなフォルムに、菊繋ぎなどの伝統文様が繊細なカットで施され、美しい輝きを放ちます。頭部と胴体はそれぞれ一輪挿としても使え、モダンな空間を演出します。

デザインストーリー

私たちが暮らす「東京」という視点からさまざまな切り口を考えていて、そのひとつが江戸切子でした。こけしの模様には「菊」がよく使われますが、江戸切子にも伝統文様として「菊繋ぎ」というカッティングが広く使われており、遠く離れた地域の工芸品同士の意外な共通点から、両者がうまく調和できる可能性を感じました。

今回の商品は、江戸切子の中でも類を見ない希少性です。オリジナルフォルムを金型から起こし、かつ限定10点のみでガラスを吹いて制作しました。加えて、カッティングや磨きにおいても弊社で培ってきた光の屈折や透明度にこだわり抜いて制作しています。是非その輝きに注目して見ていただきたいです。


小林 寛

Kan Kobayashi

  • 富士フイルム株式会社 デザインセンター

  • グラフィックデザイナー

  • 主にinstaxや広告/空間のグラフィックデザインを担当

古民家こけし
古民家こけし
古民家こけし
古民家こけし
古民家こけし
古民家こけし

商品の紹介

古材を用いてつくられたこけしです。100年を経た貴重な古材に美しい削りと墨一色の絵付けを施し、味わい深い木目を楽しむことができます。実際に家を中枢で支えたケヤキの「大黒柱」など、その木材が経てきた歴史を活かしたキャラクターが魅力です。

デザインストーリー

それぞれのこけしに宿るキャラクター性の背景を知ることで、より愛着がわき、かつそれが縁起物となって生まれ変わる試みです。100年以上、誰かの日常を支えた古材に流れる悠久の時間と記憶を、家族を守り慈しむ温かみとともに次なる100年へ継承します。

櫻井 尚道さん

伝統的なミズキではなくケヤキやクリの堅い古材に挑戦し、香りや削り心地など木の個性を多く感じる制作でした。扱いは難しいものの、完成作は驚くほど手に馴染み、木の歴史や素材の重みが佇まいに表れています。また、古材を用いながらも伝統的なフォルムが丁寧にデザインへ落とし込まれており、新しい素材でありながら自然と感じる「こけしらしさ」が魅力の作品です。

山翠舎さん

倉庫の奥で仕口の形状に興味を持ってもらい共に材を探した思い出や、割れや穴を避ける素材選定には苦労と楽しさがありました。古木の端材が、1点毎に個性を活かした美しいこけしに仕上がったことに大変感動しています。山翠舎のビジョン「古民家を解く。」への一つの答えが見つかりました。

金物こけし(切削)
金物こけし(切削)
金物こけし(切削)
金物こけし(切削)
金物こけし(切削)
金物こけし(切削)

商品の紹介

燕三条の工場で生まれた、ステンレス製のこけしです。機械部品製造の技術を用い、ステンレスの棒材から高精度に削り出されています。無垢材ならではのずっしりとした重厚感と表情の中に、素朴な愛らしさを宿した、様々な空間に馴染むプロダクトです。

デザインストーリー

暮らしの道具を作る傍らで、我が子のためにと作られた、こけしの成り立ちを踏まえ、その存在を現代の技術と素材で再定義しました。溝やローレット加工などの工業技術をこけしの絵柄に見立て、金属らしい機能美と素朴な愛らしさが同居するデザインを目指しています。

後藤鉄工所さん

本作では、デザイナー様のイメージする曲線を機械加工でどう再現するか、また角や製品ラインの美しさをどう表現するかについて、擦り合わせを重ねたことが印象的でした。普段はエンドユーザーの方と直接接する機会が少ない業界だからこそ、実際に手に取っていただけることをとても嬉しく思います。

金物こけし(鍛金)
金物こけし(鍛金)
金物こけし(鍛金)
金物こけし(鍛金)
金物こけし(鍛金)
金物こけし(鍛金)

商品の紹介

鎚起銅器製のこけしです。一枚の銅板を幾千回も叩き上げる「鍛金」の技法で、継ぎ目のない一体の形を成しています。職人の打つリズムが刻まれた「鎚目」は唯一無二の表情を持ち、「煮色」加工を施した鈍い輝きと共に、暮らしの中で深い色艶へと育つ一生モノです。

デザインストーリー

器を作る傍らうまれた人形を、燕三条の工芸で。鍋や薬缶といった一生ものの道具のために培われた「鍛金」の技をこけしに落とし込むことで、郷土玩具らしい素朴な佇まいと工芸の緻密な美しさを同居させ、経年変化を愛でながら人生を共にする道具のような存在です。

渡邉 和也さん

おそらく鎚起銅器でこけしを作るのは産地の歴史の中で初めてではないでしょうか。銅の質感、鎚目のおおらかな表情はこけしと親和性が高いと感じました。木と同じく銅も、永く時を経る中でなんとも言えない雅味を醸し出します。永く愛で、後世に伝えていく魅力を感じていただければ幸いです。


西村 俊亮

Shunsuke Nishimura

  • 富士フイルム株式会社 デザインセンター

  • プロダクトデザイナー

  • 主にX線撮影装置、内視鏡など医療領域のプロダクトデザインを担当

移ろいこけし
移ろいこけし
移ろいこけし
移ろいこけし
移ろいこけし

商品の紹介

陽の光を受けると、白い木肌に溶け込んでいた絵付けが静かに現れるこけし。紫外線に反応する顔料を用いており、木地と絵付け、光と時間が重なりながら、日々の暮らしの中で少しずつ表情を変えていきます。

デザインストーリー

かつて玩具として親しまれたこけしのように、笠を被せたり、向きを変えたり。暮らしの中でこけしとの関わりを楽しみながら、時間や光とともに変わる絵付けや木肌の移ろいを愛でていただけたらうれしいです。

櫻井 尚道さん

伝統にはあまり見られない直線の描彩や透明感ある絵の具に挑戦し、帽子の薄さや裏側の「ビリガンナ」装飾など、木地挽きの技術を細部まで込めました。従来の伝統こけしとは異なる表現ですが、木を挽き線を描く技術や感覚は受け継がれてきた伝統とつながっています。光や時間での表情の変化を楽しみ、この作品から描彩の新たな可能性を感じていただけたら嬉しいです。

紙のこけし
紙のこけし
紙のこけし
紙のこけし
紙のこけし

商品の紹介

提灯づくりの技から生まれた、しなやかな和紙のこけし。陰影の美しい蛇腹のからだは触れるたびに姿を変え、すらりと伸びたり、ころんと佇んだり。暮らしの中で、さまざまな表情をせてくれます。

デザインストーリー

人は姿勢やシルエットから、思いのほか多くの印象を受け取っています。こけしの素朴な輪郭が持つその面白さを、蛇腹の動きで広げました。伸びる、縮む、少し傾く。その姿ごとに宿る愛嬌を楽しんでいただけたらうれしいです。

吉元 君平さん

柔らかくしなやかな「紙のコケシ」は時にとても能動的です。一般的な提灯の型では製作が難しい形状を表現し、吊る、置く、さらに自由に踊る。デザイナーの着想と想いに、弊社が取り組む「美しい、新しい、楽しい」を込めて共に制作させていただきました。コケシ、提灯という誰もが知る伝統工芸品の新しいカタチをご覧下さい。


Sony Group, Creative Center の特集記事はこちら


ソニーと富士フイルムのデザイナーがうみだした、
まだ誰も見たことのないこけしたち

場所
伊勢丹新宿店 本館5階 センターパーク/ザ・ステージ#5
開催期間
2026年6月17日(水)〜6月25日(木)
開催時間
10:00〜20:00

2025.10 コンセプトモデル中間発表 - DESIGNART 2025