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仏師 加藤巍山さん 美の活動インタビュー

コンシューマプロダクトグループが実施している「美の活動」で仏師の加藤巍山さんをお招きしてインタビューを実施しました。

「美の活動」はコンシューマプロダクトグループがアウトプットの品質向上を目的に、業務の枠組みを超えてさまざまな切り口で美を探求する活動です。今回は加藤巍山さんをお招きし、仏像を創作する上での美について語り合いました。

加藤さんは、仏像を彫刻する仏師であり彫刻家です。お寺に仏像を奉納する活動の傍ら、彫刻作品がニューヨーク・クリスティーズのオークションで約3,285万円で落札されるなど、アートシーンからも大きな注目を浴びています。その静けさと力強さが同居する美しい佇まいの作品に共感し、今回お話を伺うことになりました。

前半は目黒五百羅漢寺に奉納されている加藤さんの作品である麒麟像をメンバー全員で見学した感想を加藤さんに共有、作品に込めた制作意図や内側に潜む力強さの秘密を対話を通じて紐解いていきました。

加藤さんは自身の作品でどのように美しさを表現しているかについて「“すること”よりも“しないこと”を見極めるほうが大切。そういった不協和音を取り除いて行った結果、調和のとれた真に美しい形が浮かび上がってくる。」「木という素材を使っている以上は仏像は朽ちていくもの。そのため人々に大切にしていただくには美の強度が必要。“1000年遺す”という意気込みで制作している。」と語り、創作への志の高さにメンバーも非常に感銘を受けた様子でした。

「彫っても、彫ってもなかなか腑に落ちない時もある。だけど続けているとふと魂が宿る瞬間がある。AIや3Dプリントなど技術の発達は目覚ましいが、その領域には人間でないと到達できないのではないか。」等、今後のクリエイティブの未来を予感させるコメントもいただきました。
そこから加藤さんのルーツである音楽活動の話やテレビ番組ご出演の際の話に至るまで、メンバーからの質問は最後まで途切れず、非常に盛り上がりを魅せた美の活動となりました。